カウンセリング、認知行動療法、スキーマ療法、EMDR。受けた経験から、違いと相談するときに大切にしたいことをまとめました。
この記事は当事者の体験をもとに、見出しや表現を整理しています。治療に関する内容は個人差があり、診断・治療の代わりにはなりません。
この記事の目次
自分に合う方法を、一緒に探す
カウンセリングと言っても、その種類はさまざまです。この記事では、私が受けたカウンセリングや心理療法について、特徴と、受けるときに大切だと感じたことを紹介します。
自分の状態や気持ちを考えて話すことが難しい時期もあります。話せないことを自分のせいにせず、今の体調や休養の必要性も含めて、医師や心理職に相談してみてください。治療の順序や方法は、一人ひとりの状態によって異なります。
ここに書いているのは、当事者としての経験と一般的な情報です。同じ方法でも感じ方や負担は人によって違います。「向いている・向いていない」を自分だけで決めず、専門家と確かめながら、自分に合う方法を見つけていきましょう。
カウンセリング|話しながら気持ちを整理する
カウンセラーとの対話を通して、自分の考え方や物事の受け止め方に気づいたり、まとまらなかった気持ちを整理したりする時間です。自分の中で生まれる気づきが、問題への向き合い方を変える手がかりになることがあります。
「何から話したらいいかわからない」「自分の状況をうまく説明できない」という状態のままでも、そのことから相談できます。最初からすべてを話す必要はありません。
私が大切だと感じたのは、自分の悩みや感情を、無理のない範囲で正直に伝えること。そして、対話の中で得られた学びや気づきを、自分のペースで受け止めることでした。
相手の意見にいつも同意する必要はありません。違和感や「その言葉はつらい」という気持ちも伝えられる関係かどうかを大切にしてください。
- 話したいことや困っていることを、短いメモにして持参しても大丈夫です。
- 話したくない内容には「まだ話す準備ができていない」と伝えられます。
- 担当者の資格、経験、相談の進め方、料金を事前に確認しましょう。
認知行動療法|考え方と行動を少しずつ見直す
認知行動療法は、日常の出来事に対して浮かぶ考えや行動に目を向け、今の困りごとに対応する力を育てていく心理療法です。無理に前向きになることではなく、現実に合った、柔軟な受け止め方や行動を一緒に探していきます。
私がポイントだと感じたのは、「認知」と「行動」の両方に取り組むことでした。何が起き、そのとき何を考え、どう感じて行動したのかを振り返ることで、自分の考え方の癖に気づきやすくなります。
カウンセラーと取り組んだ内容を、生活の中で少しずつ試していくこともあります。繰り返す中で、今まで強く握りしめていた考え方を、少しずつ手放せると感じました。
ただし、課題を続けることが難しいからといって、本人の努力不足ということではありません。体調や生活の負担に合わせて、量や進め方を相談できます。
方法が身につくと、自分で振り返りを続けやすい面もあります。ひとりで無理をするのではなく、取り組み方が合っているか、時々専門家と確かめながら進めてください。
- 「できなかったこと」も、そのまま相談の材料になります。
- 日常で試す課題は、今の自分に実行できる小ささに調整します。
- 症状や目的に応じて、用いられる方法や治療期間は異なります。
スキーマ療法|繰り返す生きづらさに目を向ける
私にとってスキーマ療法は、今の悩みだけではなく、過去の経験や、自分の中に深く根づいたものの受け止め方に向き合う時間でした。育ってきた環境や、これまでの感情体験を振り返りながら、自分の傷つきに気づいていきました。
今までの治療にしっくりこなかったり、同じような苦しさを繰り返していたりするとき、選択肢として専門家に相談することができます。ただし、誰にでも必要な治療、必ず根本的に解決する治療という意味ではありません。
私は、カウンセラーとの相性と信頼関係がとても大切だと感じました。自分の気持ちを理解してもらえる感覚が、安心できる居場所につながることもありました。
自分の過去をうまく整理できていなくても、先に傷ついた体験をすべて掘り起こす必要はありません。どこまで扱うか、どんなペースなら安心できるかを、担当者と相談してください。
深い感情に触れることで、泣いたり、怒りが湧いたり、心身が大きく疲れたりすることもありました。私は、相談できる相手や、終わったあとに休める時間をあらかじめ確保することが大切だと感じています。
継続する期間や費用も、無理のない範囲で確認しておきたいことです。保険の扱いや費用は、実施する医療機関・相談機関に確認してください。
- 治療後につらくなったときの連絡先や対処方法を、事前に相談する。
- 前後の予定を詰めすぎず、必要に応じて付き添いも相談する。
- 不安や負担が強いときは、進め方や中断について率直に伝える。
EMDR|トラウマに関わる記憶を扱う心理療法
EMDRは、PTSDに用いられる心理療法の一つです。準備と安全の確認を行ったうえで、記憶に注意を向けながら、眼球運動や音・触覚などの刺激を使って治療を進めます。訓練を受けた専門家のもとで受ける治療です。
私の場合は、「こう考えたい」「このイメージにはどんな意味があるのだろう」と考えすぎるより、そのときに浮かんでくるイメージや感情、身体の感覚に気づいていくことが大切だと感じました。
一方で、自分の心を守るストッパーのようなものがあり、思うようにイメージが浮かばず、行き詰まることもありました。これは私自身の経験です。論理的に考える人には向かない、話すのが苦手な人なら必ず向く、といった区分はできません。
治療の中で怖いイメージが浮かんだり、あとから苦しくなったりすることもあります。次の診察までに不調が出たとき、どう落ち着き、誰に連絡すればよいかを、前もって確認しておくと安心です。
私は、心を開くことで一時的に取り乱し、消耗することもありました。その一方で、自分の感覚に変化を感じた経験もあります。改善の内容や程度には個人差があり、同じ反応や効果を保証するものではありません。
- 治療の目的、準備段階、途中でつらくなったときの対応を聞いておく。
- 過去を思い出すことが怖い、現実感が薄れることがあるなど、気になることを担当者に伝える。
- 記事を読んで、ひとりでトラウマの記憶に強く向き合おうとしない。
焦らず、自分のペースで
方法を知ることは、自分に合う相談先を探す助けになります。でも、選択をひとりで背負う必要はありません。今の辛さ、望んでいること、費用や時間の不安も含めて相談してみてください。
次の記事では、感覚や身体へのアプローチなど、今回紹介できなかった方法を取り上げます。少しでも楽になることを目指して、一歩ずつ進めていきましょう。
参考情報・関連する記事
制度・受付時間・提供内容は変わる場合があります。最新の情報は各公式サイトをご確認ください。