カウンセリングの種類・特徴②

言葉だけでは整理しきれないつらさに、感覚や身体から向き合うアプローチ。筆者の体験と、選ぶときに確認したい点を紹介します。

この記事は当事者の体験をもとに、見出しや表現を整理しています。治療に関する内容は個人差があり、診断・治療の代わりにはなりません。

この記事の目次
  1. 感覚と身体からのアプローチを知る
  2. 自律訓練法
  3. タッピングセラピー
  4. 身体の感覚を、自分を知る手がかりに
  5. SE(ソマティック・エクスペリエンシング)
  6. 心身条件反射療法
  7. メンタル鍼灸――カウンセリングとは別の施術
  8. 休みながら、自分への思いやりを

感覚と身体からのアプローチを知る

この記事は「カウンセリングの種類・特徴①」の続きです。今回は、感覚に注意を向ける方法と、身体から働きかける方法の2つに分けて紹介します。

状態を言葉にすることが難しいとき、すぐに新しい療法に取り組めないときもあります。今の体調と負担を確かめながら、治療者と相談して進めてください。

感覚を感じにくい、感情がよくわからない。そうした状態に至るまでの経緯は、人それぞれだと思います。うまく感じられない自分を責めるのではなく、ここまで頑張ってきた自分に、少しでもいたわりを向けられたらと思います。

自律訓練法

自律訓練法は、決められた言葉や手順に沿って身体の感覚に注意を向け、リラックスする練習をする方法です。言葉を心の中で繰り返し、身体の小さな変化を自分なりに感じていきます。

原記事では、自分で感覚に注意を向けるコツを覚えると、ひとりでも取り組みやすくなる点を紹介しました。一方、感覚をつかむことが難しい人もいます。最初からできることを目標にしすぎず、慣れるまで支援者と一緒に練習する方法もあります。

体調が不安定なときや、身体に意識を向けることがかえって苦しいときは、無理に続けないでください。自分に適しているかや実施の仕方を、担当の専門家に確認することが大切です。

タッピングセラピー

タッピングと呼ばれる方法には、気になる感情や事柄に注意を向けながら、身体の特定の場所を軽くたたくものがあります。原記事では、感情や身体感覚に働きかけるアプローチとして紹介しました。

私の場合、この方法だけでトラウマに関連する自分の経験を理解できたわけではありませんでした。どのような支援を受けるか、どの順序で進めるかによっても、取り組んだときの感じ方が違うと思いました。

ただし、この経験から、誰にでも同じ順序や方法が適しているとはいえません。「即効性がある」「副作用が少ない」と一律に判断したり、つらい記憶を自分で無理に掘り起こしたりすることは勧めません。現在の症状と安全に配慮して進められる専門家に相談してください。

編集補足:原記事にあった「感情エネルギーの解放」という説明は、その作用機序が医学的に確立していることを示すものではありません。本記事では治療効果や適応を判断できません。

身体の感覚を、自分を知る手がかりに

私たちは、問題を見つけて変えることに意識を向けがちです。でも、自分が自分自身でいるとはどんな感覚か、落ち着いているときの身体はどう感じるかに気づくことも、私にとって大切なことでした。

ストレスから少し離れた、居心地の悪くない状態を知ることは、自分をいたわる手がかりになるように感じます。心地よさがわからない日には、それを無理に探そうとしなくてもかまいません。

SE(ソマティック・エクスペリエンシング)

SEは、トラウマへのアプローチの一つとして、身体の感覚や反応に注意を向ける方法です。原記事では、感情を言葉で説明することが難しくても、いま身体が何を感じているかを手がかりに取り組める点を紹介しました。

私にとっては、自分の身体を通して心の状態に気づくことや、自分を大切にする行動を考えるきっかけになりました。言葉のやり取りだけではつかみにくかった感覚に、別の方向から向き合う方法として受け止めています。

ただし、感覚の鈍さや不安の程度などによって、負担や取り組みやすさは異なります。「毎回安定した効果がある」「副作用が少ない」とは言い切れません。現在の状態に合うか、実施者の資格・訓練歴や進め方を確認してください。

編集補足:原記事の「体内に溜まったエネルギーを放出する」という表現は、身体の変化を説明するための理論的な表現として扱い、医学的に確立した作用機序とは区別しています。

心身条件反射療法

原記事で取り上げた心身条件反射療法は、特定の言葉や経験を思い浮かべ、そのときの身体の反応に注目する施術として紹介したものです。一般的な対話中心のカウンセリングとは進め方が異なります。

私の場合は、日常で自分がどのような言葉に反応しているのかを振り返るきっかけになりました。施術後にも、その言葉と自分の経験との関係について考えることが、気づきにつながったと感じました。

一方で、これは私個人の体験です。「自律神経を修正する」「免疫機能を向上させる」「潜在意識の問題を特定できる」といった効果を、ここで医学的事実として示すことはできません。取り扱う施設や実施内容にも違いがあるため、受ける前に説明を聞き、主治医にも相談してください。

自分に当てはまる原因が見つからないからといって、無理に記憶や理由を探したり、感じ方を合わせたりする必要はありません。

メンタル鍼灸――カウンセリングとは別の施術

原記事では、身体から心身の状態に向き合う選択肢として、鍼灸も取り上げました。鍼灸は鍼や灸を用いる施術で、話を聞いたり心理的な問題を整理したりするカウンセリングとは異なります。

私個人の感想では、症状の段階や体質によって感じ方に差がありました。目の前の悩みを話して整理したい場合は、求めている支援と一致するかを考えることが必要だと思います。

編集補足:鍼灸を精神疾患の「根本治療」や、断薬・減薬のための代替手段として勧めることはできません。薬の変更は処方医と相談してください。施術後に体調が悪くなった場合も、「好転反応だから大丈夫」と決めつけず、施術者や医療機関に相談してください。

鍼には痛みや出血などの有害事象が起こることがあります。利用を検討する場合は、施術者の資格、衛生管理、現在の病気や服薬について確認し、受診中の医療者にも伝えておきましょう。

休みながら、自分への思いやりを

いろいろなアプローチを試しても、思うように進まないと疲れてしまいますよね。支援を受ける時間は、自分のことを考え、大切にする時間にもなります。

「合わなかった」と感じることも、自分を知るための情報です。無理に続けることや、一人で何とかすることを目標にせず、休み休み、自分に思いやりを向ける時間を持てたらと思います。

次の記事では、複数人でかかわる療法や支え合いの場を紹介します。

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